メールメールメール

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ネットで知り合った人を好きになるのは、スタンダードな恋愛よりも、ずっと悩みは大きい。メールのLOVEはリアルワールドの恋愛とは違う。ふられたりした日には、普通の失恋の何倍も傷ついてしまう。それはネットラブが人にうまく説明できない、新しい恋のカタチだから。

「えー、会ったこともない人を好きになるなんて、信じられない」

それなりの男女の経験を積んだ大人がクルクルと翻弄される。主婦がスーパーで買い物をしながら、メルフレのことをうっとり想うようになる。これは、はまってみないとわからない。

亨が起きるのは朝の8時ごろ。洗面とトイレを済ませるとパンを焼き、コーヒーを温め、朝食を摂る。そしてパソコンの電源を入れる。まず、モーニングメールのチェックだ。新着のメールがあればホッとする。なかったら気が気ではない。何かあったのだろうか。ひょっとしたら、これっきりになるのかもしれない。そういう不安をよそにしばらくすると、

<モーニン>
起きているかな、
私、2度寝から起きたとこ、
亨さんは今、何をしているんだろう・・・、
気になるのよね~
わからないから、なおさら、
今はまだ曇っているけど、
午後からは雨になりそうだね、
じゃあね、

こんなメールが届いて、ほっとする。

出会い

山崎亨(40)と石田有里(38)が出会ったのは「野鳥の会」の掲示板。何日も通って苦労の末に捉えた1枚の写真、小魚を狙っている玉主色の美しい小鳥。貴重な1枚だったが、亨は画像掲示板に投稿し、有里がレスを付けたことから始まる。

<初めまして>

「関東在住の有里と申します。うわあ、もうビックリです。これがカワセミなんですね、まるで宝石みたい。珍しい写真を見せていただいて有難うございました。」

<有里さんへ>
「初めまして。長崎の亨です。誉めていただいて有難うございます。散歩の途中、川の土手で水色の小鳥を見たときは、カワセミだと直感しました。人通りのある場所で巣作りしていたので驚きました。レスを付けてもらって有難うございます。今後ともどうか宜しくお願いします」
有里は、自分のHPにも亨に遊びに来てほしいと思い、URLを掲示板で教えた。亨は即行で訪問。ひと通り目を通してからメールを書いて送信した。

<HPへの感想>

「拝見しました。“グリーン・グリーン“タイトルがいいですね。トップページもかわいらしい色使いで、女性らしいサイトだと思います。野の花の写真集、料理、日記、アルバム、などどれも丁寧な作りで感心しました。BBSがとても賑わっていますね。多くの人が書き込んでおられるのは、有里さんのお人柄なのでしょうか。益々のご発展を願っています。亨」
HP訪問の足跡は掲示板に残すのが普通。直メールしたのは、個人的な付き合いに発展することを願ったから。自分の作品を誉められれば嬉しくなるのが人情。有里は笑顔で返事を書いた。そしてメール交換が始まり、ヶ月になったころ ほとんど毎日のように亨はそれはそれは気持ちのいいことを書いて送信した。

「僕達は会うべくして会ったんだ」とか、「とても自然で落ち着ける、もう僕にとって有里さんは世界でいちばんたいせつな人、ずっと大切にするよ」とか、「こんな気持ちになったのは始めてだ、これは純粋な気持ちだよ」などである。有里も告白される心地よさに浸ってしまった。やがて亨からのメールを心待ちするようになっていく。

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ゆれる想い

愛している、好きだよ。
何回も聞くけど、信じていいよね?
うん、だって好きなんだもん。
会う事も出来なくて、
私の事なんてわからないでしょう。
一緒に住んでいるから、良くわかるってもんでもないよ。離れているから良く見えるってこともあると思う。
不安になる時もあるのよ。
俺はいつも不安だよ。
私はね、
亨さんの事、大好きだし、
いつも、私の支えになっているのよ、本当だよ。
色々あってどん底だった時に、
心理の先生から、
痛みがわかる人が現れるといいのだけどね、って言われた事があるのね。 私にとって、それは亨さんだった。

それは有里が魅力的だから、
それに俺がひかれたのさ。
それが、いつのまにか、
男女の愛情に変わっちゃったけど、(笑)
> 私の根本的な部分には、
男女の愛情以上に亨さんが必要なの。
私の本心なのよ、忘れないでいてね。
もしいつか、距離が遠くなったとしてもね、
忘れないでよ~!

うん。

 

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まこっちゃん

まこっちゃん

元自動車会社工員、配管工、自動車洗車場、呉服担ぎ屋、土木作業員

昭和61年、琉球大学キャンパス内で架橋工事中に突然脳内出血に倒れる。
以降左半身不随の後遺症が残り1種2級の身体障碍者となる。

昭和64年(平成元年)リハビリセンターで入所中に知り合って交際していた女性職員と入籍。
福岡県粕屋郡古賀町(現古賀市)へ転居。彼女が働き、家事全般は夫がする暮らしを始める。生活費は折半。いわゆる「主夫」となって今に至る。

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