騒音トラブル

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ある日、階下の老夫婦がやってきた。アンタの部屋から夜中に水を流す音がしてうるさいと苦情を言うの。僕の部屋は7棟の216号室。老人は116号室だ。つまり僕の部屋の真下に住んでいる。団地の最上階は9階まであり、トイレ付近を上から下まで水道と排水のパイプが通っている。このパイプから、夜音がするというのである。夜中トイレに起きて水を流すことはあるが、他に水漏れも無いので心当たりが無いと言うと、今度は公団の苦情係を連れてきて騒音を測らせてくれと言う。団地の中には公団の事務所があって2人の中年女性が詰めている。この事務所へ来ては騒音がしてうるさいとどなり散らしたり、ドアーを足で蹴ったりするので公団としても対応に苦慮しているという。

 

音を測った所で苦情を言われるような騒音が出る筈もない。しかし、繰り返し苦情を言ってくるので困ってしまった。奥さんは65歳ぐらいで病気をして療養中との事である。一日中部屋にいるのでわずかな音にも敏感になってノイローゼになっているようだった。上の階の人が夜中にトイレを使うと排水管から音がする。しかし、どの階の人が使ったのか特定は困難である。多少の生活騒音ぐらいは我慢しないと集合住宅には住めない。それが厭なら他に引っ越すしかないですよ。と説明すると、その場は納得するのだが、また、苦情を言ってくる。そのうちに僕の部屋の郵便受けにゴミを入れるなどの嫌がらせをするようになった。

 

嫌がらせはしないでくれなどの貼り紙で対抗したが効き目は無い。自治会の区長に相談しても暴力を振るわれてないからと相手にしてくれない。警察にも相談したが、ごみを入れている現場を押さえるか、証拠が無いとどうしようも無いと言われウンザリした。現場を押さえようにも、満足に歩けないのでどうしようも無いのである。

ある日通路で偶然老人と出会った。口汚くののしってきたので口論になった。頭にきて老人に殴りかかった。しかし、地面に転がったのは自分の方である。左の麻痺足に力が入らず、惨めな姿でコンクリートの上に転んだ。老人は笑いながら去って行った。それからは、僕に暴力を振るわれたと区長や福祉会長に告げて回った。障害者の会でお世話になった福祉会長に相談しても、結局、自分が悪者にされてしまった。

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引っ越し

それからも、老人は狂ったように部屋へ怒鳴りこんでくるので妻が怯えた。この老人は区長や福祉会長の前ではおとなしいのだが、僕や公団事務所の女性職員の前では真逆の態度を取るのである。女性や障害者といった弱者に対しては傲慢な態度に出るので閉口した。こっちに悪い所があれば改めもできるが、身に覚えがない事なのでどうしようもない。

いい加減ウンザリしてきたので同じ団地内で引っ越す事にした。7棟から14棟へ移るのだ。市営や県営住宅もあるがエレベーターが無い。障害者にはエレベーターのある方が万事都合が良い。

 

各階にエレベーターが止まるのは7棟と14棟しかないのである。他の棟は奇数の階しかエレベーターが止まらない。老夫婦には町内に娘がいるが、借金を肩代わりさせられた事で不仲という。娘は母親とは行き来するけど父親は拒絶するそうだ。収入が無いから生活が苦しくて隣組費を払えないと区長に相談したという。団地の横の植樹帯の雑草を刈ってくれたら5万円を払うと区長が言うと引き受けて金は先にもらった。

しかし、雑草刈りは途中で放置したままだから困ったという話であった。団地専属の掃除のおばさんともトラブルを起こしていた。僕が出た後の部屋に入居してきた家族も怒鳴りこまれて困っていると聞いた。14棟に引っ越してからは問題の老人と会う機会もなくほっとして忘れかけていた頃、老夫婦は福岡市の市営住宅へ越していった掃除のおばさんから聞かされた。

最後に

問題の老人がいなくなってヤレヤレと思っていたら居住棟の通路やエレベーター前の踊り場に止めていたセニアカーの座席にツバをはきかけれれるようになった。誰がいたずらしているかわからないのでどこに苦情を言っていいかわからない。自転車やバイクのシートにツバを吐きかける人は時々いるみたい。特に障碍者、女子、子供、老人といった社会的弱者が狙われる。こういう問題は相手を特定できないので泣き寝入りすることになる。

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まこっちゃん

まこっちゃん

元自動車会社工員、配管工、自動車洗車場、呉服担ぎ屋、土木作業員

昭和61年、琉球大学キャンパス内で架橋工事中に突然脳内出血に倒れる。
以降左半身不随の後遺症が残り1種2級の身体障碍者となる。

昭和64年(平成元年)リハビリセンターで入所中に知り合って交際していた女性職員と入籍。
福岡県粕屋郡古賀町(現古賀市)へ転居。彼女が働き、家事全般は夫がする暮らしを始める。生活費は折半。いわゆる「主夫」となって今に至る。

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