片麻痺のリハビリがうまくいかない理由

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片麻痺のリハビリがなかなかうまくいかないのは、手だけ足だけの訓練をしていたからでした。手と足は連動して動くようにできているのです。突っ張りが強くて膝が曲がらないので、膝を曲げて歩く練習をしていたのですが、ほとんど変化はありませんでした。手を振って歩けと言われましたが、手も緊張が強くてL字型に曲がって手を振るなど不可能でした。しかたなく足だけの歩行訓練に勤しんでいました。でも27年頑張っても改善はありませんでした。1本足歩行になれただけです。足が悪ければ足だけを訓練すれば良いと勘違いしていました。

 

突っ張りが強いのに歩くと良い方の足で伸びあがって足を振り出すので、ぶん回し歩行になってしまいます。着地すると膝にガチッとロックがかかるので、とても歩きずらい。階段の下りではツンのめりそうになって危険です。普通に2足1段では危ないなので、1段ずつ上がる1足1段にならざるを得ません。

これまで意識しないと曲がらなかった膝が自然と曲がるようになったのは腰痛対策で始めた水泳をするようになって6ケ月目でした。曲がるといってもほんのわずかで、他人が見たら全然変わらない程度ですが、それでもうれしかったですね。

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クラス分け

片手と片足だけで泳ぐのは死ぬほど大変です。それでも全日本障害者水泳大会出場を目指して、障害者の水泳サークルで2年ほど頑張ったのですが、出場できる見込みがないのであきらめました。全国大会に出るにはクラス分けという試験を受けねばなりません。1~20まであるクラスの順位を決めてもらう必要があります。水泳協会の審査員から体の具合を見てもらい、実際にプールで泳いでみせなくてはなりません。僕は自由形で5クラスの認定を受けました。数値が小さいほど重度ですから重い方から5番目ですね。15クラス以上になるとほぼ健常者と同じです。クラス5で全国大会に出るには50メートールを1分39秒以内で泳がなければなりません。自分は1分56秒が最高で、どうしても壁を突破できませんでした。全国大会では50メートール以上でないといけません。25メートールは障害者水泳の記録会などになります。

水泳を始めて3年後ぐらいから麻痺側も動かして泳ぐようイメージしました。なぜかというと両手両足を動かす方が泳ぎやすいからです。頭の中では普通に泳いでいるようにイメージするのです。それから体をローリングさせると泳ぎやすいこともわかりました。それでとにかく麻痺側を動かすようにしたのです。体を叩きつけるようにすると2~3メートールは泳げました。これは泳ぐというよりも水中でバタバタしているというのが実情ですけど。水の中だと暴れても転倒しませんからね。麻痺側も思いっきり動かせます。ほんのわずかですけど。

反張とは

こうして少しづつ麻痺側の肩を動かし体をひねると足も釣られて動くようになりました。水中では浮力が働くので重さが軽減するので動かしやすいのでしょう。足首が動かないのでスタスタとはいきませんが、水泳のおかげで膝がロックされることもずいぶん軽減しました。

反張膝とは左図。右が正常。膝は曲がっているのが正常で、曲がったまま体重を支えなければなりません。図のように膝がロックされて伸びきっていると、ツンのめってブレーキがかかります。反対に良い方の足では膝が曲がって地面を蹴って推進力を得ることができます。左右で真逆の動作をするので、歩行どころの話ではありません。それでも強引に歩こうとすれば足が外側を大きく回ってしまいます。外旋歩行とかブン回し歩行とかいって、突っ張りの強い人にはだいたいこのようになります。酷い場合は、バッタ々と足を叩きつける歩行になったりします。ブン回し歩行というのは腰に大きな負担がかかるので腰痛や坐骨神経痛の原因となります。僕も一時は布団から起き上がるのも困難なほどになり、このままでは寝たきりになるかもしれないという恐怖院にかられて水泳を始めました。

手を振って歩く

片手片足で泳ぐとよくわかるのですが、手足は連動して動いている、ということです。手だけ足だけを単体で動かそうとするとなかなか大変です。例えば、両手を縛られると人は走れなくなります。トボトボ歩くだけです。なので囚人は両手を縛られて、数珠つなぎで歩かされます。今でも逃亡を防ぐために警察は犯人を逮捕すると手錠をかけるのです。

私たち人間は、大昔は4足歩行だったと言われています。つまり手も昔は足だったわけですね。ですから手も足だと思って地面を蹴るようにイメージすると歩きやすくなります。病院のリハビリで手を振って歩けと言われとぃました。発病当初は手も足もガチガチで手を振って歩くなんて想像もできませんでした。なので足だけでヨイショヨイショと必死で歩いていました。まさに死に物狂いです。

これでは片麻痺の改善があるわけがありません。2足歩行前の進化の過程を知る必要があります。ここではチーターの走りを参考にしてみました。体全体を使って走っていますね。前足で地面をつかもうとし、後ろ足では地面を蹴っているのがわかります。頭を前方に向けていますね。走行に都合の良いよ うな前傾姿勢です。尻尾は直線の時は真っすぐ。どちらかに曲がるときは尻尾の向きでバランスを取るようです。つまり体全体を使って走っているのです。

手も昔は足だった

体全体を使うのは2足歩行になった人間も同様です。手も昔は足だったのですから、足の動きと似たように動かさないとうまく走れません。

早く走るには手を思いっきり後ろに振る必要があることがわかります。この時手は空を切っていますが、脳の中では前足で地面をつかんで蹴っているのです。脳の奥深くにある脳幹という部分にご先祖様がトカゲやワニやトラやライオンだったころのDNAと呼ばれる遺伝子の中に残っていると言われています。古い記憶をよみがえらせることで早い走りを手に入れているのかもしれません。

最後に、

私たちは手足の機能ばかりに目がいっています。脳卒中の本来の原因である脳細胞の死滅について忘れているのではないでしょうか。一度死んだ脳細胞は元には戻らない。つまり生涯治らないということです。しかし、脳細胞は新しくネットワークを作り出すということも最近の研究でわかっています。それにはどうすれば良いか、それを追求したのが理学療法というものではないでしょうか。麻痺した手足を強制的に動かすと、それが脳に刺激を与えて新しい神経回路ができる。そういう考え方ですね。大切なのは体全体を使う運動を心掛けることです。

 

しかし、まったく動かないものをどうやって動かすのか。6ケ月まではリハビリの先生たちが手伝ってくれますが、半年を過ぎると早く病院を出てくれと尻を叩かれてしまいますね。自分でPTを雇う経済力がある人以外は、自主訓練になります。もうこうなると我々無知な貧困層は途方に暮れるしかありません。

自分の頭で考えトレーニング方法を開発する、もしくはリハビリのシャッターをおろしてしまう。それぐらいしか方法はないのです。もう思いっきり自己流ですが、僕は水泳と水中歩行に活路を見出しました。水泳と水中歩行と屋外歩行訓練をバランスよく行うことで、かなりのリハビリ効果が見込めると考えます。麻痺は生涯治りませんが諦めずにコツコツと続けるしかありません。日々の訓練を通じて体をなじませていけば精度の高いADLの確保も可能ではないでしょうか。

リハビリの参考になりそう動画

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まこっちゃん

まこっちゃん

元自動車会社工員、配管工、自動車洗車場、呉服担ぎ屋、土木作業員

昭和61年、琉球大学キャンパス内で架橋工事中に突然脳内出血に倒れる。
以降左半身不随の後遺症が残り1種2級の身体障碍者となる。

昭和64年(平成元年)リハビリセンターで入所中に知り合って交際していた女性職員と入籍。
福岡県粕屋郡古賀町(現古賀市)へ転居。彼女が働き、家事全般は夫がする暮らしを始める。生活費は折半。いわゆる「主夫」となって今に至る。

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